田中豆富店は、島根県出雲市平田町で、豆富と向き合い続けてきた豆富屋です。変わらない工程を守りながらも、その日の気温や水、大豆の状態に合わせて、毎日判断を重ねています。
同じ材料、同じ手順でも、同じ豆富は二度とできません。だからこそ私たちは、日々の小さな違いを見逃さず、丁寧な豆富づくりを続けています。
ここでは、田中豆富店の豆富づくりへの考え方と製造工程、そして、その積み重ねが評価されてきた受賞履歴をご紹介します。
こだわり
– 豆富づくりは、料理と同じ –

田中豆富店の豆富づくりは、料理人の視点から始まります。
大豆の品種、仕込み時の水温、気温や湿度。
その日の条件に合わせて、浸水時間や水量を細かく調整します。
味を均一にするための機械任せではなく、毎日、大豆と対話しながら行う「微調整」。この積み重ねが、豆富本来の甘みと香りを引き出しています。
また、一般的な豆腐製造で行われる殺菌のための再加熱(ボイル)は行いません。味を落とさず鮮度を保つため、一気に冷却できる特殊水槽を導入。設備投資を惜しまず、「出来たての美味しさ」を守っています。

豆富づくりは、大豆選びから始まります。
産地や品種によって、甘み・香り・コクは大きく変わります。
田中豆富店では、用途や仕上がりを想定しながら大豆を選定し、「この豆の良さを、どう引き出すか」を考えて製造に入ります。
原料の個性を理解することが、豆富づくりの第一歩です。

選び抜いた大豆は、水に浸してゆっくりと吸水させます。
この工程は単純に見えて、実は非常に重要です。
気温や湿度、季節によって大豆の状態は毎日変わるため、浸水時間は常に一定ではありません。
職人が大豆の状態を見極めながら、最適なタイミングを判断します。

十分に水を含んだ大豆を、なめらかになるまですりつぶします。
粒の残り具合ひとつで、口当たりや風味に差が出るため、粗すぎず、細かすぎない絶妙な状態を目指します。
この段階で、豆富の「やさしい食感」の土台がつくられます。

すりつぶした大豆を大釜で加熱します。
火加減や加熱時間は、その日の大豆の状態によって微調整。
一気に温度を上げるのではなく、豆の旨みを逃がさないよう、じっくりと熱を加えます。
この工程で、豆の香りが立ち上がります。

加熱したものを、豆乳とおからに分けます。
ここで雑味を残さないことが、後の豆富の味わいを大きく左右します。
必要以上に絞りすぎず、豆乳の良さだけを引き出します。

搾りたての豆乳に、にがりを加えます。
にがりを入れるタイミング、量、混ぜ方は、すべて職人の感覚によるもの。
この判断ひとつで、固さやなめらかさが決まるため、最も集中力を要する工程です。

豆乳ににがりを入れて固まった豆富を、くずさないように、布をしいた型に流し込み、木綿の形に整えます。
ここで、田中豆富店ならではの、柔らかすぎず、ツルッとした木綿豆富の食感が完成します。

カットした豆富は丁寧に包装します。
出来たてに近い状態のままお届けすることを大切にしています。
出来栄えの確認、柔らかさの断面の確認をします。
店頭や食卓に並ぶその瞬間まで、豆富の美味しさを守り続けます。

成形した豆富は、すぐに冷却工程へ。
田中豆富店では、味を守るため、殺菌目的の再加熱(ボイル)を行いません。
代わりに、冷却できる特殊な水槽で、一気に冷やし、鮮度と風味を閉じ込めます。
この工程が、「出来たての美味しさ」を保つ最大のポイントです。
ひとつひとつの工程に、理由がある。
それが、田中豆富店の豆富づくりです。
受賞履歴

第8回全国豆腐品評会
中国四国地区大会
木綿部門
“最優秀賞”受賞

第8回全国豆腐品評会
中国四国地区大会
寄せ・おぼろ部門
“優秀賞”受賞

第8回全国豆腐品評会
中国四国地区大会
絹部門
“銅賞”受賞

第9回全国豆腐品評会
西日本地区大会
中国・四国地区
寄せ/おぼろ豆腐部門
“金賞”受賞

2025年ニッポン
豆腐百選
“平田木綿”認定書

2025年ニッポン
豆腐百選
“だいず村の健”認定書

EXPO 2025
大阪・関西万博
“平田もめん”出展


